今回のおはなし
みなさんこんにちは。
VIPPOOL でエンジニアをやっています、星月です。
前回は「1+1」を題材に、「1ってそもそも何?」「抽象的な考え方」について
語りました。お気づきの方はいると思いますが、途中で投げかけた質問、
「+ ってどういう意味?」についてはスルーしていました。
今回はそこから語ろうと思います。
「足し算」と呼んでもいい条件
+ も 1 と同じく単なる記号で、「足し算」であることを示しています。
じゃぁ、「足し算」って何でしょう?
これについては、過去の偉い人たちが散々検討を重ねた結果、
「最低限、4 つの条件を満たせば『足し算』と呼んでも差し支えないのではないか」
という結論を得ました
その 4 つを順に見ていきましょう。
「りんごの個数」と「りんごの個数」を足したら「りんごの個数」
当たり前といえば当たり前です。
これを満たさないものは足し算ではありません。
例えば、「りんごの個数」と「小麦粉の量」を足して「アップルパイの個数」
なんてものは足し算とは呼べません。
これを専門用語で「演算に対して『閉じている』」と表現します。
答えがアップルパイになってしまったら「閉じていません」。
(1+2)+3 = 1+(2+3)
足し算がいくつか並んでる場合、どの順で計算しても結果が変わらない、ということです。
1+2 に 3 を足しても、1 に 2+3 を足しても結果は同じ。
モノの個数で考えているうちは当然のことですが、
いずれ「個数」じゃないものを扱い始めると実は重要な条件です。
小学校でも習ったと思います、「結合法則」というやつです。
0 がある
0 に何を足しても答えは変わらず(0+?=?)。何に 0 を足しても答えは変わらず(?+0=?)。
そんな性質を持つ「記号」が必ず 1 つあることです。
これを専門用語で「単位元」と呼びます。
ちなみに単位元は 2 つ以上存在できません。
証明は省略します。
マイナスの数がある
ちょっとややこしいですが、
要するに引き算のことも同じに扱うことで、
足し算について考えるだけにしたいんです。
「3 を引く」のは「-3 を足す」のと同じ、というわけです。
わざわざ引き算の概念を作らなくても、マイナスがあれば、
足し算の概念だけですべて片付きます。
つまり、本質的には足し算も引き算も同じものである、と言いたいわけですね。
マイナスのことを専門用語で「逆元」と呼びます。
何が逆なのか?「3」の逆が「-3」というイメージです。
ある記号と、その逆元を足したら 0 になる。という条件です。
4 つの条件を満たしたら「足し算」と呼ぶ
ここまでで並べた 4 つの条件こそが、「モノの個数の足し算」から
具体的な要素を極限までそぎ落とした、いわば「足し算の本質」です。
この足し算の本質を満たす計算と、その計算ができる記号(今回は数字ですね)、この 2 つを
セットにして「群」と呼んでいます。
そして、「群」の要素となっている記号のことを「元」と呼びます。
まとめ
今回は、足し算というものの本質、群についてお話しました。
今回はここまで。
ご質問、ご意見等ありましたらお気軽にリプライください。